不動産投資というと、マンションやアパートの一棟投資のほうが利益が高いイメージがありますが、そこでなぜワンルームマンションに投資するのか、そのメリットを考えてみましょう。
まずワンルームマンション投資は、その10倍以上の金額が必要な一棟投資と比べて始めやすいというメリットがあります。また、急遽現金が必要になったときにも、一棟物件よりはるかに売却しやすいという流動性の高さもメリットです。ワンルームマンションの購入目的は、投資だけでなく自宅用、事務所用など多岐に渡るので、売却までにかかる期間も一棟物件と比較すると格段に短くて済むのです。さらに、ワンルームマンションは経営管理に手間がかかりません。たいていは建物全体の管理をしている会社に任せることになります。設備の点検や修繕についても、一棟物件とは比較にならないほどコストも手間もかかりません。
ではワンルームマンション投資のデメリットは何かというと、まずは投資金額が比較的少なくて済む分、リターンも少ないということです。リターンは部屋数の多い一棟投資のほうが断然大きいですね。また株やFXのような一度に大きな儲けも望めません。
さらに、一棟投資の場合には土地と建物が資産として手に入ることになりますが、ワンルームマンションの場合は土地の割合は非常に小さく、実質上の資産は建物の一部のみになります。その上購入から時間が経過して老朽化が進むとその価値はどんどん下がるので、いつ売却しても売りやすい物件、立地条件が良く建物の使いやすさやデザイン性、居住性などの価値が高いものを選んでおくことが必要です。
そしていちばんのデメリットは、空室になったら収益がゼロになってしまうということです。一棟投資の場合、空室が出ても家賃収入がゼロになるということはありません。空室、そして家賃の滞納は、ワンルームマンション投資の最大のリスクと言えるでしょう。
ではそのワンルームマンションの最大のリスク、空室リスクと滞納リスクを回避するにはどうすればいいのでしょうか。
まず空室リスクを回避するには、賃貸需要の高い場所にある物件を選ぶということがとても重要です。1人暮らしが多く、会社の寮、個人オフィスなどとしての需要も高い都市部、特に東京23区内の物件に投資するのと、人口も賃貸需要も少ない地方の物件に投資するのとでは、リスクの大きさが格段に違います。また、いくらいい物件でもその情報が入居希望者に届かなければ、空室は埋まりません。入居者募集に強い賃貸管理会社をパートナーに選ぶことも大切です。
滞納リスクへの対処法としては、とにかく滞納者へのこまめな連絡が必須です。これは管理会社が行うので、最初に家賃滞納が発生した場合の対処法を話し合っておきましょう。不動産管理会社を通じて滞納保証サービスを利用する方法もありますが、その場合は滞納保証サービス会社が信頼に値するほど堅牢なものかを見極める必要があります。